中川原信一さんのあけびかご
中川原さんを訪ねたのは何年前だろう。もう30年近くなるのではないだろうか。そのころから編み方やデザインは全く変わってはいなくて、それはそれだけ長く愛されているからだろう。長年取り扱って驚くのは、一度も修理などの申し出がないことである。
三年前にNHKテレビ放送されたイッピン「山から生まれた暮らしの道具~秋田工芸品」が再放送されて、中川原さんのあけび蔓を採取するところから始末、編み上げるところまでが紹介されました。スズメバチ除けして8の字に束ね、奥様が葉などを落とし、奥羽山脈の12℃の伏流水に晒す。そして乾燥に時間を費やして数々の工程を経てやっと編み上げるのです。(下の写真3点は放送画像から)
編みあがったその美しさと強さは、まさにイッピンです。その美しさを当ギャラリーで見ることができます。
番組の中で中川原さんは、「せっかく自然から恵んでもらった材料だし、無駄にしないように。まぁかごは使ってもらえる人になるべく長く使ってもらいたいと思って丁寧に丁寧に一生懸命毎日作るだけです」と述べています。
どうぞ蜂や怪我に用心して、いつまでも励まれますように。